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安達正興のハード@コラム

 退職者の雑用( 2011年 12月 16日 金曜日

●犬を預かる
今週は月曜日にオスロの娘一家へ、翌一日を孫ふたりと遊んだのはオマケで、娘一家がイギリスでクリスマスを過ごすあいだ、来年まで犬を我家で預かるため連れて帰るのがわが任務なのです。行きの飛行機は、オスロ空港が早朝から数時間滑走路がアイスバーンのため封鎖、幸い私は朝10時台だったので、1時間ばかりの遅延ですみました。雪なら豪雪でもOKなのですが、雨が降ったため凍ったのですな。雨がふる空気は+温度でも地表は零下ですからアイスバーンになる。自動車道路ですと砂利を撒けばよいが、滑走路は溶かすのに時間がかかるわけです。

帰りは国鉄の犬車両、といってもおなじ客車で列車の最後車両が犬連れさん専用になっているだけで快適です。ほかに犬連れさんはハンドバッグに入ったチワワの持ち主だけでした。車掌さんが「はい、ベルゲンまでですね、この列車はワンちゃん二匹だけですから、ごゆっくり」と切符にハサミを入れる。犬の切符はわたしの座席指定の倍するのはなぜだろう? でも一台貸し切り気分はいい。この犬は6年生きているオスのラブラドール、躾されているうえ、本来おとなしい種なのでウンともスンとも言わず伏せている。わたしがトイレに立つ時も微動だにしないで待っている。この犬はこれから我家に行くこと、列車の所要時間などすべて知っているのである。


車窓から:雨のため濡れ雪、人のいないイェイロ(GEILO)西側のスキー場

全線が雪景色。常緑樹のモミ、杉、松の枝葉が雪にしだれ、草や灌木、苗木に雪が被っている姿は小人のようだ。表面が凍った川、雲の切れ間に薄青の空。車窓の冬景色は見飽きることがない。半分行った辺りから暗く明るい車内から景色が見えなくて残念。持ってきたサンドと缶ビールを前に本を読み、ウトウト眠りをくり返して7時間、快速は定刻通りにベルゲン到着した。犬君は家内を探して(解っているらしい)紐をひっぱり見つけて体じゅうで歓ぶ。

●ノルウェーに新幹線は不要
この国でも新幹線並みの超特急を要望する声がある。空の便で45分ですから現在快速で7時間のところを新幹線なら4時間で行けるだろう。しかし現実的に1000メートルを超える北欧冬の高地走る現在の曲がりくねった軌道では不可能だ。

最後車両に座ったので、先頭の機関車が頻りに見えた。カーブがなんと多いことだろう、トンネルも多い。各列車の運行前に除雪車を走らせなければならない。新幹線を通すためには新しい直線的な線路が必要だ。除雪車も速いのが必要だ。莫大な建設費用を考えると資本効率はおそろしく悪いのである。幸いというべきか、欧州の景気停滞によって話題に上がらなくなった。(了)



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幕末の奈良まちに生まれた奇豪
宇宙菴 吉村長慶
発売日 2011年6月26日
著者 安達正興
出版 奈良新聞社
装丁 カバー付き 上装本
体裁 B5版 縦2段組み 
   本文316ページ フルカラー
価格 3,750円(税込み)

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