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安達正興のハード@コラム

 パパンドレウの奇策( 2011年 11月 3日 木曜日

●ギリシャ人
パパンドレウもギリシャ人だった、ラクして儲けて相手に責を負わせてシレっとする特性を備えている。しかも鉄仮面である。

日本でも一時、死んだ家族の報告を隠して、年金給付を着服していた話題があった。同じことがギリシャでは当たり前のように行われていて、当局のお手盛りが怪しまれる内情だ。ギリシャ国債のデフォルトが言われてから、当のパパンドレウ首相はお手盛りカッと、緊縮財政を布いてEUがベイルアウトしてくれるよう執拗にメラケルとサルコジに食いさがった。公務員削減、給料や年金を半分に減らしたので。怒った国民がなんどたゼネストをやったことか。野党と国民から総スカンされても居直りつづけた鉄仮面である。

さて、国家破産ギリギリでメルコジ(メラケルとサルコジ)6度目の融資に合意、これでユーロは一安心、欧州金融界はホットし株価急騰なんてはしゃいでおった。

●どういう了見だ!
そしたらパパンドレウが「融資支援の賛否を国民投票にかける」と寝耳に水、メルコジの度肝を抜いた。それはないぞ、テメイどういう了見だ!さっそくパパンドレウをG20の開幕前にカンヌへ呼びつけて糾したのでした。冷や汗がとまらないベルスコーニは外野の身分、文句も言えず切歯扼腕の形(ぎょう)である。

しかしメルコジといえど鉄仮面パパンドレウのペースに従うしかない。ま、融資の条件である緊縮財政で立ち直るためには今のような国民の反対があっては実効難しい。国民のコンセンサスを取り付けたい気持ちは渋々同意するしかあるまい。

●国民投票は勝ちを読んだ奇策
会談後の個別記者会見で元気の無いメルコジに比べ、死に体ギリシャの鉄仮面宰相パパンドレウは自信満々である。国民投票は賭けではない、レファレンダム(国民投票)こそは自己の立場を強める奇策であった。

政府に反対一辺倒だった国民は12月の4-5日くらいと言われている国民投票の日、私感では賛成多数に転じるとみる。なんとなれば、ラクして儲けてヨーロッパ文明の故郷を任じるギリシャ人がEU/ユーロ圏を去ることは死んでもできない相談だ。とりあえず賛成、本性はそのあとで出す魂胆だろう。クリスマス、お正月越すのすら大変だ。ギリシャの綱渡りは10年のと歳月を擁するだろう

サルコジはパパンドレウに難詰したあとすぐ胡錦濤と会ってEU支援を御願いした。今回のG20は野田さんはもちろんオバマもお呼びでない。(了)




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