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安達正興のハード@コラム
◆ 爆破と乱射、ノルウェーテロ(4)(2011年 7月 27日 水曜 )
●引用コピーのマニフェスト前半
前回,パクリのマニフェストの記述が不正確で、1500pの全部が無断引用との誤解を生じた。多くはソースを付記している。しかし他の軍史、武具や極右サイトから集めてコピーし、西欧におけるマルチ文化の勃興、西欧イスラム化の始まり、それに対する西欧の動き−反左翼マルキスト/アンチ・ジハード、解決策と今後我々はいかに運動を展開すべきか、などの4ブックに整理しただけで、これが彼の思想だなんてふざけている。ま、よくお勉強しましたね、とお上手にねぎらっておしまいに願いたい。左写真は十字軍徽章と2083を表題にしたブレイヴィクのマニフェスト『欧州独立宣言』。
●後半は自身が書く
ブレイヴィクは前書きで半分は自身で書いたという。その後半Book 3 先制攻撃 (766p)からの解りやすい英文は彼自身が書いたようだ。言ってることは現実乖離が甚だしく正気を疑う主張が頻りで、飛ばし飛ばし目を通すのがやっと。筆者のような高齢者世代が我慢して読める限度を超えている。
Book 4では自身のことを詳細に,学校のこと、友達グループの遍歴、ムスリム学友との訣別、ヘビーメタルが嫌いでヒップホップの仲間であったこと、フリーメーソンや進歩党に入党し離れたこと、親友のパーティーで会った法曹人や官僚たちがみな労働党員かそのシンパで、国内のイスラム脅威を一笑に付す態度に顔には出さないが敵愾心を持ったことなど、質問と答えのかたちで語って飽きないショウヴィニストである。「それは良い質問ですね」と答えのはじめに置くころでは吹き出してしまった。自作自演で着飾った告白ではあるが、ブレイヴィクの性向、性格をしるうえでたいへん役に立つ。
●日記がおもしろい
テロの計画をはじめた2002年4/5月から進捗状況を時々日記風に書いている。最初は自著の適法バージョンを配布し行動を促す汎ヨーロッパ組織を設立する「プランA 」をめざし、資金300万ユーロを2006年までに準備する計画を立てた。2005年になんとか50万ユーロを準備できたが、250万ユーロ不足。持ち金の半分を株に投資して見込みが外れ、結局残りの25万ユーロで「プランB」の爆弾製造に変更した。2006年までマニフェスト作りに専念する。
そのあと、爆弾の材料仕入れ、作り方を詳細に記し、2011年4月から爆弾製造の日記があり、テロを実行に移すまでの日記がある。5月2日をDay 1として毎日書き続けDay 29で爆発物をトラックに積み込み完了。日記が一番読んで面白い部分である。(続く)
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幕末の奈良まちに生まれた奇豪
『宇宙菴 吉村長慶』
発売日 2011年6月26日
著者 安達正興
出版 奈良新聞社
装丁 カバー付き 上装本
体裁 B5版 縦2段組み
本文316ページ フルカラー
価格 3,750円(税込み)
安達正興のハード@コラム
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