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安達正興のハード@コラム
◆ 爆破と乱射、ノルウェー〈 2011年 7月 23日 土曜日 )
当地オスロの政府建物地区と続いて起こった同一犯人のキャンプ島乱射事件は世界のトップニュースになった。すぐさまオバマがコメントとお悔やみを述べた大事件は、朝の日本ニュースでも話題になった。家族は大丈夫か?とメールをくれる日本の友人に、うちは圏外とこたえています。
●政府区を爆破
しかし、両事件で死亡者は100人近いとみられる。戦後最大のドラマチックな一日にちがいありません。オスロの中心部に政府建物が集まっている国家権力のセンターがあり、直訳すれば『政府区』と呼ばれている。日本の「霞ヶ関」を□の地区に集合したようなところで、町の中心街にちかい。
当地の時間でちょうどお昼、首相の執務室も入っているビルと、石油とエネルギー省のあいだ通りの角に近くで爆発、爆風で財務省ビルなど4面のビルの窓が割れ落ち、被害は100m離れた商店ビルのガラスも破壊された。
首相は無事、建物内の人は全員無事だった。キャメロン英首相は電話でお悔やみを述べ、同僚の無事を喜こんだそうです。夏休みでもあり、政府区はガランドウまではいかないが通常の半分も出勤していなかった。被害は爆発物の直近にいたか窓ガラス他の落下物による通行人である。ガラスが吹き飛んだ民間ビルにVG(世界時報)という英国のThe Sunにあたるタブロイド新聞社があった。報道できなければ事件新聞の名折れとばかり、記者はコンピューターを持って近くのホテルに全員移動、臨時デスクをつくり、翌朝の新聞に間に合わせるとハッスル。
●少年少女を乱射
政府区が爆発した二時間後、爆発場所で観察された警官の服装をした男がUtソya(ウトイア=外島)に現れ、キャンプ中の中高生に自動小銃で次々に発射、10人以上を殺戮する事件が起きた。オスロから車で一時間くらい北西に大きな湖Tyrifjorden(ティーリフィヨレン)がある。フィヨルドの名は氷河が削った谷にある淡水湖にも使い、峡湾だけとは限らないのです。
ウトイア島は労働党青年部が例年ここで100数十人夏のキャンプを張り、労働党の幹部がスピーチに来るのが伝統になっている。現在は労働党中心の連立政権であり、乱射で少なくても80人 を射殺した事件の1時間前に元首相で国連WHO事務局長ほか環境問題で活躍した女性のグロー・ハーレム・ブルントランドがスピーカーだった。そのため当日の参加者は500人の盛況だったという。明日の土曜日はストルテンベルグ首相がこの労働党青年キャンプを訪れスピーチすることになっていた。ストルテンベルグ自身もかってこの青年部のリーダーであり、歴代政府のトップや閣僚の多くが各党青年部の出身である。
●犯人は右翼
キャンプの草地はそう広くない。14才から18才くらいの少年少女森に逃げたり湖に泳いで逃げたのだが、80人を撃ち殺すとは理解し難い。隔離された島であり、民家まで距離がある。逃げるのに悪い条件だった。
現時点で警察の発表によると、はオスロ政府区の爆破とウトイア島の乱射犯人は同一人物の単独犯である。島で逮捕された犯人はノルウェー人32才の男、Anders Behring Brevik、政治的に極右、上記の名前で本人のフェイスブックにアクセスできるがたいした情報は無い。ヤフーで検索すれば英語で彼のことを書いたサイトがいくつかある。商業高校を出て野菜果物を栽培する自分の会社をもつ。市内のアパートに住む。
詳しい動機、目的は取調中だが、労働党政権と労働党の若者への攻撃であるところから政治的な狂気が背景にある。(了)
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安達正興のハード@コラム
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