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安達正興のハード@コラム
◆ ギリシャ、デフォルト脱出〈 2011年 7月 22日 金曜日 )
●EU首脳、ギリシャをベイルアウト
ギリシャへの最後通牒となる21日のEU圏首脳会議がついに当日となった。17カ国首脳、といっても旗ふりのサルコジに渋る金元のメラケルがどこまで応じるかで決まる。EU最大の財政拠出国であるドイツが結局ギリシャ支援の最大部分を被るのだから、ドイツ国内の反対を押し切って放蕩児ギリシャに支出するかメラケルの出方が注目されていた。
●EUの金庫、メラケル苦渋の決断
緊急召集の21日、ブリュッセル集まったメラケルは会議の前にサルコジ、トリシェ(ECB総裁)と会談、このときギリシャ支援策が合意に達した。で、あとの本会議はお手盛りシャンシャン楽しい会議となったのでした。スペイン、イタリアは貢献ゼロでデフォルトに引っ張られる危機を脱し、パパンドレウ(ギリシャ首相)の顔は緩みっぱなしである。
この第2次ベイルアウト・パッケージは総額総額1090億ユーロ(約12兆2950億円。EFSF(European Financial Stability Facility欧州金融安定機関)の融資返済期間を15−30年間に延長、利率を現行の5.5%から3.5%に引き下げる。そうやって支援総額の3分の1(370億ユーロ)を民間部門の債権買い戻しを容易にし、寄与できると当て込んでいる。サルコジの胸算用によると30年で1350億ユーロの民間部門の貢献が可能という。
●民間連れはギリシャだけ
民間部門の金融機関をデフォルト支援に組み込んだのは今回がはじめて、アイルランドやポルトガルには使われなかった。メラケルが押し切ったのだが、危険な賭けとの懸念が強い。ギリシャ国債の売り逃げに狂奔した世界の民間銀行が買い戻したり新規に買い増しするだろうか。EU議会のロムプイ、欧州委員会のバローゾ、サルコジ、メラケルは口を揃えて、民間部門の関与はギリシャだけ、二次支援もギリシャだけに適用されると牽制している。
さて、ギリシャは国家としての債務不履行が免れたといえ、支援の条件である政府緊縮財政が実施できるか、なにしろ耐乏を強いられる国民は暴動デモやゼネストで対抗し、今後も長々と続くだろう。ギリシャ国民は犠牲の精神で一致団結なんて殊勝な心を持ち合わせないキリギリスである。前途多難。(了)
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幕末の奈良まちに生まれた奇豪
『宇宙菴 吉村長慶』
発売日 2011年6月26日
著者 安達正興
出版 奈良新聞社
装丁 カバー付き 上装本
体裁 B5版 縦2段組み
本文316ページ フルカラー
価格 3,750円(税込み)
安達正興のハード@コラム
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