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安達正興のハード@コラム
◆ イタリア経済は危うくない〈 2011年 7月 13日 水曜日 )
● 伊・西国債を売り浴びせるヘッジファンド
ギリシャ救済支援を討議するEU財省会議の意見がまとまらず、金曜日に持ち越された。ギリシャ債権の一部をデフォルトさせる選択的デフォルトに至るのではないかとの読みから、民間銀行は買い増しや償還延長を催促されてはかなわないので今ならまだ売れそうなイタリア国債とスペイン国債を売りに出した、売り浴びせを率先したのはアメリカのヘッジファンドである。
イタリアとスペインの国債利回りが一時6%を上回るまでに上昇した主要原因はウォールストリートのヘッジファンドというわけ。これが引き金で世界同時株安となり、弱り目のユーロを売って円が買われ80円を切った。円で給料を貰う海外駐在社員以外は迷惑なことよ。
●イタリア、3デメリットのウソ
ユーロ圏三番目の経済規模を持つイタリアの経済はそれほど悪いのか? 1)景気低迷、2)GDPの120%に及ぶ債務、3)不安定な政治という三つの悪条件がある。と、これは米エコノミストたちに主流の見解である。
しかし景気低迷なら貿易赤字、失業率、連邦債務の上限が決められないアメリカをはじめミゾイギリスもフランスもではないか。
GDPの債務120%は問題だが、国内保有高は(正確な数字が思い出せない)60%以上ある。殆どが海外債権者のギリシャとは違うのだ。
スキャンダル常在のベルスコーニは不安定に見えるが、戦後イタリア最長の首相であり、1994年から断続的に8年以上、2013年の満期まで居るだろう。ブッシュ、シラク、ブレアとサミットしてきた経歴はオバマの大先輩である。与党が過半数を占めるイタリア政治が不安定というなら日本のめまぐるしく首相が替わる政治状況は形容しようがない。
●達成可能な緊縮財政
イタリアは今回のショックでオーステリティー財政政策を執る。今週中にも緊縮財政案が成立し、達成出来る条件にある。そこが達成見込み無しのギリシャと異なり、イタリア国債は信用を取り戻せる。(了)
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幕末の奈良まちに生まれた奇豪
『宇宙菴 吉村長慶』
発売日 2011年6月26日
著者 安達正興
出版 奈良新聞社
装丁 カバー付き 上装本
体裁 B5版 縦2段組み
本文316ページ フルカラー
価格 3,750円(税込み)
安達正興のハード@コラム
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