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安達正興のハード@コラム

 ロンドン、パリ不の動産を買う石油基金〈 2011年 7月 8日 金曜日 )

● ノルウェー石油基金とは
ノルウェーのソブレン・ファンド(国家基金)は他国に先駆けて早くからあった。北海石油の採掘権からくる利益をプ−ルし運用する「石油基金」で、各国が国家基金を創設するようになって石油基金の名前では聞こえが悪いのか、正式呼称を「年金基金」に改めた。用途は当初から将来主に年金補填に回すことだったので実質変わらず、人々もメディアも相変わらずOljefondet「石油ファンド」と呼んでいる。

日本の国民年金や厚生年金の積立金が運用に失敗して赤字をだしたりするが、当地の石油基金は手堅く利益を上げている。昨年は706億円増やし時価総額約4兆5000万円になった。今年は東電株で大損しているが、総額の端数くらいで国家基金として最大だったアラブ首長国連合のアブダビ基金を抜いて世界一に躍り出た。

石油基金を管轄するノルウェー中央銀行によると、今年3月は基金の61.3%が株、38.6%を固定利付け証券や定期預金、不動産投資に0,1%という割合だった。

●不動産投資=ロンドン
いま欧州の不動産は割安になっているからか、政府は不動産投資を5%増やし、その分固定利子への投入を減らす方針を決定。これを受けて石油基金は4月にロンドンのショッピング街リージェント・ストリートの25%を買い占めた。イギリスは投資を歓迎し、ノルウェ−人をちょっといい気分にさせてくれたのでした。

●不動産投資=パリ
続いて今週火曜日にパリ中心とパリ西部のビジネスビルを7つ買ったというニュース。これら有名ビルの権利を50%取得、区画156,000F、お値段は818億円也。写真のビルOpus 12はそのひとつ。


その昔、日本バブルの時代にソニーがパラマウント映画を買収したり日本企業がニューヨークの高層ビルを買うときは米の反感を買ったものですが、パリジヤンの反応は大歓迎、欧州の国がパリ不動産に投資するのは建物の維持保護に安心でき、ノルウェーのEU加盟に繋がるという。ま、ユーロが良くない現今、ノルウェーのEU加盟は反対80%近くにのぼり、あり得ないのですが。(了)




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幕末の奈良まちに生まれた奇豪
宇宙菴 吉村長慶
発売日 2011年6月26日
著者 安達正興
出版 奈良新聞社
装丁 カバー付き 上装本
体裁 B5版 縦2段組み 
   本文316ページ フルカラー
価格 3,750円(税込み)

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