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安達正興のハード@コラム
◆ ギリシャは保有金塊を売れ〈 2011年 7月 7日 木曜日 )
● ECBの条件・ロールオーバー
ギリシャのデフォルト危機はIMFの追加支援で一息ついたが、何ヶ月もつことやら。緊縮財政はギリギリ議会を通過したものの、有効に実施できるだろうか。8月にギリシャは66億ユーロの国債償還を迎えるが、その見込みはゼロ。IMFがずるずる第三次支援をすることは絶対ありえない。
ECB(欧州中央銀行)がギリシャ国債を担保にギリシャ中銀に融資することになるけれど、そのためには債権者である主にドイツ、フランスとイギリスの金融機関、銀行や生保などが、満期近いギリシャ債を延期(ロールオーバー)するのが条件である。ギリシャの銀行が応じるのは「義務」だが、欧州債権者も概ね受け入れる模様。
●破産させたくない株主、債権者
東電株が紙くずにならないよう蠢く大株主の政府や銀行・生保、其の他17%保有している外国政府系ファンドの意向が、東電を潰さないように動く。それと同じようにギリシャ債を保有する欧州民間金融機関はギリシャをデフォルトさせたくない。だからロールオーバに応じ、ECB(貸し出し)とEU(ギリシャ債の購入)が度重なる追加支援を行うことになる。
小生は東電を逆さにして鼻血も出ないまで自社資金を補償に充て、破産させた上で新東電を設立すればよいという意見。ギリシャも一度債務不履行、全銀行が破産してしまえばいい。EU加盟国の条件:対国内総生産比6%のプライマリー収支黒字達成なんてギリシャは加盟の年からして満たしておらず、何年経っても不可能なのだから。
●中国なんか怖くない
ギリシャ債務不履行の暁には中国が不良国債を引き受け買い増し、事実上ギリシャ乗っ取りを企みそうだがそのときはEUが本気で阻止するので心配におよばず。
東電もギリシャも政府や金融機関は破産による金融界および社会的波及を怖れて死なせないように治療する。そしてギリシャ中銀が国家規模に不似合いな多量の金Goldを持っていることには頬かむりするのである。
●金を売って凌げ
ギリシャ中銀は114トン40億ユーロ、外貨準備の約80%を金で保有しているわけだ。因に日本はアメリカから金塊を持ってはいけない、米国債を買えと指図されているので日銀の金保有高は2%にも満たない。ギリシャが金を売れば財政赤字100億ユーロの半分ちかく賄えるのだが……。売るにも規制があるが、ギリシャ中銀は我が身大事に売ろうとしない。(了)
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幕末の奈良まちに生まれた奇豪
『宇宙菴 吉村長慶』
発売日 2011年6月26日
著者 安達正興
出版 奈良新聞社
装丁 カバー付き 上装本
体裁 B5版 縦2段組み
本文316ページ フルカラー
価格 3,750円(税込み)
安達正興のハード@コラム
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