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安達正興のハード@コラム

 懐かしい想いで〈 2011年 6月 7日 火曜日 )

●新型E-coli バクテリア
欧州ではエーコリ(英ではエーコライ)とよばれる。日本で大腸菌O-104と呼ばれているのと同じなのか、よく知りませんが抗生物質が効かない。感染症状が従来のものより強く危険、感染者の70%が中年以上の女性という特徴がある。第一報があってから4日目、あれよあれよという間に感染者2000人、死者18人(ドイツ人17人とドイツ旅行帰国者)が出る事態になり、コトは食品問題から政治問題に発展した。

感染発病の震源地ハンブルグの食品衛生局が「感染源はスペイン産キュウリ」と特定したため、スペインの野菜農家は輸出先からキャンセルされスペイン人も買ってくれない。投棄処分するしかない。スペインでは感染者がたった一人、誰も死んでいないというのに、薬学の大国ドイツが言うのだからと黙っていた。そしたら、スペイン産キュウリはシロだと訂正してきた。短いスペインキュウリ「ペピーノ」がNo Pepinoだったわけだ。「こんにゃろー、弁償しろ」怒りますわな。スペイン政府はドイツとEUに経済補償を要求、当然だろう。

ロシアは2日、EUから全ての野菜を輸入禁止にした。人命尊重の国でもないのに……これは政治的な揺さぶりだ。こうなると風評被害は福島県産野菜の比ではない。感染源は解明できないだろうというのが専門家の見方だ。人を介しても感染し、ユッケのように簡単に追跡できる菌ではない。

● E-coli 発生源はモヤシミではなかった
もやもやしていたE-coli(大腸菌)食中毒はモヤシから来たことがほぼ確定的とドイツ農林大臣が発表して、一歩進んだとおもいきや、翌6日にはそうではないらしいと件のモヤシ農場のある州当局が訂正の段。なんじゃらホイ、福島原発状況報告よりひどい。特定は困難といえ、集中発生したドイツ北部の出荷物、それも外国に輸出されていない野菜に絞られるところまできた。

日本ではモヤシは炒めてたべるもの、大腸菌は死滅するはずなのですが、欧州では生野菜でムシャムシャ食べる。白菜もマシュルームも人参もサラダにする。ホテルの朝食ビュフェにあるので、旅行客かが感染して帰るケースがある。

だがこの新型に有効な治療法がない。抗生物質などの薬剤治療が効かないので、腸内出血で排泄、失われてゆく血を輸血し続けなければならない。輸血用の血漿がたちまち底をつく。腎臓が冒され尿毒症に罹った患者も多い。

●懐かしい想いで
単にE-coliで思い出した他愛無いハナシです。経験から言って、殆どの大腸菌は無害か、下痢をしたときはワルサする大腸菌にやられたと思う程度である。その昔、小生がデザイン美術界の大御所先生に師事していたある日、先輩弟子のDFさんが「下痢で血便が出た。これは大腸ガンだ。それしかないと医者に言われた」といつになく弱音を吐いた。体格の大きい割に繊細なのかな。

DFさんはその翌日から下宿留守番がてらに住んでいた山腹の一軒家に閉じこもってしまった。大御所先生は「あのバカめが」と取り合わなかった。ま、医者に行くまでは先触れとなる兆候が全くなくかったのだから結果は大御所先生がお見通しであったのだが、われわれ仲間5−6人が、「DFさんのことだからラーメンばっかりちゃうか。差し入れに行こう」と食べ物とビールなど買い込み、『お見舞い』にあてこんでだ麻雀に出かけたのでした。

あぁ、あれは冬のことでした。出てきたKさんはドテラを来てしょげた様子。悪友たちは構わずさっそくビールを開け、電気コタツで麻雀をやり出した。麻雀を知らない、出来ない小生はこたつのテーブルを裏返しすると麻雀台に早変わりするのを初めてみた。

DFさんは大の麻雀好きで酒飲みである。横で覗いていたが、堪えきれずコタツに仲間入り。調子が出てきたDFさんは、そろそろお開きにという悪友を引き止め「不治の病人を遺して帰る手はないだろう」と笑顔で脅す。明大ドイツ文学出身のDFさんは機智に富む会話がうまかった。悪友たちに異論のあるはずがない。徹マンになったのでした。

おそらくちょっとしたデプレッション(意気消沈)だったのでしょう。DFさんは徹夜の様翌日から元気にスタジをに出勤し、暫くして痔の軟膏を持っているのがみんなの知る所となりました。(了)

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安達正興のハード@コラム
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